STARG5 真実と偽りナイツオブディスティニーガンダムが発進すると次々に艦隊からモビルスーツが現れる。とはいえ、2機だけでどちらもザフト軍の機体のザクだ。緑色で手にはスナイパーライフルがある。シールドもあり、ナイツオブディスティニーガンダムの性能を考えればこのくらいで十分であるとはいえない。なにせ、10体だ。明らかに数が違う。リンが黙って進んでいるとモニターが映し出された。それは、ザク両機体のパイロットだ。どちらも30台だろう。ベテランのパイロットだ。「よぉ、坊主。緊張してるのか?」 リンは微笑んだ。そして、男に言った。 「まさか・・・緊張するわけないですよ」 「ハハッ、よく言うな。さっきは助けなきゃ危なかったくせに」 リンはムッとした。男の一人が笑う。 「冗談冗談。気は抜かすなよ・・・相手はこっちの倍の数だ。下手したら死ぬぞ?」 「わかってますよ・・・地球から出たときから気は抜いてないですし・・・生きて帰らなきゃいけないんです・・・死ねるわけないでしょう?」 「生意気な口聞きやがって・・・まぁ、頼むぞ。坊主、信頼してるからな!」 男がそういうと、敬礼をした。そのとき、レーダーに赤い点が現われた。ジン、2機がこちらに向かっているのがわかる。 「ジンが向かっています!2機!攻撃準備を!」 リンがそういった瞬間、ビームが飛んできた。ジンがリンに向けてビームライフルを構えている。 「チッ!」 そういうと、リンはレバーを思いっきり引き緊急回避しながらジンに向かって飛んでいく。そして、ビームソードを抜くとジンから飛んできたビームを避け目の前に現われた。 「うわぁぁぁ!!!!!」 パイロットは叫びナイツオブディスティニーガンダムに切り裂かれた。爆発し敵のもう一体のジンが吹っ飛ぶ。 「ぐっ・・・!!!」 回転しながらなんとか態勢を変えたが、すぐ目の前に再びナイツオブディスティニーガンダムが現われる。ナイツオブディスティニーガンダムはジンを蹴っ飛ばすとビームライフルに持ち替え頭とコクピットに一発ずつ撃った。 「うわぁぁ!!!!」 爆発が起こりすぐさまナイツオブディスティニーガンダムは態勢を整える。もう、リンには躊躇いがなかった。それを見てミリア達は安心のため息をついた。リンはすぐさまレーダーを見る。今度はジン5体だ。次々にナイツオブディスティニーガンダムにビームを撃ってくるがなんとかしてかわしていた。ザクが後ろから連続してジンに撃ってくる。ジンは避けようとしたが2体が当たり、爆発した。 「ありがとう!」 「坊主には負けられねぇってよ!」 リンは笑うとすぐさま応戦に入る。ジンとナイツオブディスティニーガンダムはどちらの攻撃も避けながら戦っていた。そして、ナイツオブディスティニーガンダムはビームライフルを腰に戻すとジンに向かい手をグーにするように身構えた。パイロットはそれを見て笑った。 「ついに頭がいかれたか!?この餓鬼!!」 そういうと、ビームソードをとりだし、ナイツオブディスティニーガンダムに向かい飛んでいった。リンはゆっくり標的をジンに構えると左腕にあるレバーを引いた。すると、手の部分にある機械が開き長いランチャーが現われた。そこの銃口にエネルギーが集まる。そして、リンはゆっくりとレバーの下にあるすぐ指で押せるスイッチを押した。ランチャーからレーザーが放たれジンをおおうくらいの大きさのレーザーが向かっていった。 「うわぁぁ!!!!!」 そして、ジンに命中しジンは跡形もなく消え去った。そして、ナイツオブディスティニーガンダムの目が月の光に照らされたか光った。 『光と闇』 今こそ 歩き出す 道を 探し続け 闇という暗闇の中 彷徨い 正しき道探し 歩き続ける 果てしなき闇を突き抜けて 希望を僕らは探し続け 振り向かず前を向き ただ歩いて 自分たちの居場所を探し出す たとえ 辛いことがあっても ただ 前を向き歩き続けて この胸に秘めた勇気を 振りかざして 闇を消し去り、光に照らそう 悲しみも孤独も消し去って 未来への鍵は 自分たちの手の中 静かに 光の鍵を 振るい翳して そのころ、地球軍指揮艦隊では激しい応戦が繰り出されていた。その船の中にはあの変な仮面をかぶった男がいた。彼の名前はネオ・ロアノークといい、地球軍で優秀なパイロットであり、指揮艦長でもある。彼のガーディ・ルーは攻撃されていた、なんとか被害を最小限にしていたが、そうもちそうもない。 「ええい!援軍はまだなのか!?こちらに向かっていると言ったがこないではないか!?」 ネオの隣に座っている、白い帽子をかぶりアーモリーワンを襲撃した特殊部隊母艦ガーティー・ルーの艦長。実直な軍人のイアン・リーがネオに言った。 「今連絡が入りましてあのミネルバが宇宙に離脱、強奪したガンダム3機がこちらのほうに飛んでいるとのことです。そして、フォースインパルスガンダムもこちらに向かっていると・・・そしてもうひとつ、グラディウスが敵部隊を撃退、援軍とともに急ぎこちらに向かっているとのことです。」 「チッ・・・こちらに早急に向かわせるように連絡だ。まだ、艦隊の中に何人かパイロットが残ってるはずだ。そいつらを出せ。向こうにも何十体が向かってるはずだ。幾分楽だろう・・・あちらはあの未完成だが100体ほど戦えるほどのガンダムだ。問題はない、右舷の主砲準備、マルチガトリングも準備だ。私ももう少ししたら出させてもらう、そのときは頼むぞ」 ネオがそういうと、イアンが敬礼をし言った。 「ハッ!」 一方リン達は敵増援部隊を撃退させていた、倒せば再び増えるの繰り返しでリンも精神的に疲れていた。 「はぁはぁ・・・ちくしょう・・・まだ来るのか!?」 「小僧!すまないっ!一度帰還する!」 「くっ!!」 リンは敵の攻撃を回避しつつ反撃していた、そのときピピッと音が聞こえた。リンがEN残量を確かめると次々にENが減っていた。 「な!?」 グラディウスも応戦しており、ザク2機が帰還すると舌打ちをした。そして、ミリアが素早くスイッチを押した。そして、大画面にリンが映し出された。そして、ミリアがリンに言った。 「リン!!無事のようね・・・このまま応戦できる!?」 「ッ・・・無理かもしれません!ただでさえ・・・ENを消費してて・・・少ないっていうのに・・・フェイズシフト装甲があるから・・・今はなんとかなりますけど・・・多分・・・持ちませんよ!!」 リンがそういうとジン一体が破壊された。丁度そのとき、グラディウスもジン2機を倒したところだった。ミリアは舌打ちをした。 「こちらからENの赤外線をそっちに送るわ!なんとかしてこっちまで来て!」 「んなこと・・・言われてもっ!」 そのとき、ナイツオブディスティニーガンダムに2機のジンがしがみついてきた。そして、身動きが取れない状況になってしまった。 「しまった!!」 そして、ジンは爆発した。ナイツオブディスティニーガンダムの色が落ちていき灰色に変わる。EN残量がなくなり、装甲が薄くなってしまったのだ。ミリアは舌打ちをする。そして、その場にいるものに言った。 「艦隊をガンダムに向けて前進!!リン君がいなくなったら・・・援軍どころか命さえ危ういわ!右舷で攻撃しつつ、ザク2体を前方に!なんとかして、ガンダムまで行くのよ!」 「しかし!このままでは本艦隊に攻撃が命中しますよ!」 紫色の髪の毛でショートヘアーの男が言った。彼の名前はミゼル=アクセル。左舷担当のものだ。 「少しくらいならなんとかなるわ!ミネルバには負けないくらいの装甲はあるし!彼にも連絡をやって!なるべく近寄るように、と!」 「はい!」 そういうと、ミゼルは色々と打ち始めた。リンはピピッと音が聞こえると目を覚ました。そして、EN残量を見る。見事なく、舌打ちをした。そのとき、目の前にジンが現れた。リンは目を大きく見開いた。だが、ジンはビームバズーカーのビームに貫通されると爆発し壊れた。リンはすぐさま機体を起こし見てみる。そこにはこちらに向かうグラディウスの姿とザクがあった。そして、通信が入り、あのザクのパイロットの顔が映し出された。 「坊主!早くしねぇか!こっちもENがぎりぎりなんだ!」 リンはすぐさまナイツオブディスティニーガンダムを艦隊へと飛ばした。途中、ジンに邪魔をされるが、すぐにザクが撃ち落とした。そして、艦隊ではEN補充の準備をしていた。 「目標まであと50!」 「前進よ!なんとか反撃しつつ近寄るのよ!」 ザクは途中来るジンを倒していた。だが、ビー・・と音が聞こえEN残量を見た。なくなっていることに気づきミリアに言った。 「艦長さんよ!残量がねぇんだけど・・・どうするんだ?」 「なんとか持ちこたえて!リン君の分しか残ってないの・・・すぐに補充できるわ!なんとか持ちこたえて!」 「なんとか持ちこたえて!っても・・・!!ああ!もうっ!やけくそだ!!」 男はそういうと、シールドからアックス(斧)を取り出し敵に向かって突っ込んでいった。そして、ジンに向かい斧を投げるとジンの体は真っ二つにされ爆発した。リンは突撃する。そのとき、通信が入る。斧で戦ってるザクのパイロットだ。リンはモニターに視線を向ける。 「なぁ・・・坊主ばっかで名前聞いてなかったよな・・・なんていうんだ?俺はミハイル・ジョーだ。」 「リン・アーカー・・・です」 リンがそういうと、ミハイルは微笑んだ。そして、リンに言った。 「俺のこと忘れるなよ・・・」 リンは自分のわが目を疑った。目の前にはジンがいた。艦隊まであと10くらいなのだが、ビームライフルをナイツオブディスティニーガンダムへと向ける。そのとき、ザクがナイツオブディスティニーガンダムにタックルをした。そして、ナイツオブディスティニーガンダムは艦隊へと飛んでいく。 そして、ミハイルは微笑みながらリンに言った。 「生きろ・・・リン!俺のためにも・・・みんなのためにも・・・」 そういうと、ザクは撃たれ爆発した。リンは叫んだ。 「ミハイルさーーーーーん!!」 モニターはザーッとなり消えた。ミリアはすぐさま指令を出す。 「今よ!ナイツオブディスティニーガンダムにENを放射して!」 そういうと、グラディウスから赤いレーザーのようなものが発射され、ナイツオブディスティニーガンダムのデュートリオンビーム送電システムにあたった。すると、色がみるみる戻りENが全快となった。リンはレバーを思いっきり引っ張るとジンに向かい飛んでいった。そのスピードははかり知れないもので一瞬にして相手の目の前に現れるくらいだ。ナイツオブデスティニーガンダムは一瞬にしてジンを一刀両断すると爆発し、すぐさま違うジンに向かう。その動きは戦場で言う鬼神・・・鬼のようだった。ミリア達はそれを唖然としてみていた。そして、最後の1機が破壊された。爆発の中からナイツオブディスティニーガンダムが目の部分を光らせていた。ミリアはハッとし、リンに通信した。 「リン君・・・帰還して。すぐ整備するから・・」 そういうと、ナイツオブディスティニーガンダムはグラディウスに飛んでいき、無事に着地した。残ったザクも中に着地する。艦隊の中にいたものはほとんど泣いていた。だが、ミリアは泣くこともなくただ悔しく顔を顰めていた。そして、ゆっくりとリンがガンダムから降りてきた。ミリアはすぐさま近寄り顔を見る。泣いてはいないが悔しい顔をし、手が白くなるまで握っていた。 「リン君・・・・」 「・・・・」 リンは無断のまま、ミリアの手をどけ出て行ってしまった。ミリアはそれをただ心配そうに見ていた。 リンはスーツから着替えザフト軍の服を着て宇宙を見ていた。宇宙にはジンの残骸が漂っている。それを見るとさっきまでの戦いを思い出す。自分の両親の亡骸、ミハイルが死んだ瞬間、そして、敵を倒した瞬間を思い出す。リンは思い出すと思いっきり窓を叩いた。ドンと音が聞こえただけで割れることはなかった。そのとき、警報が鳴った。リンは上を見上げた。 「警報、現在こちらにザフト軍ミネルバが向かってる様子。各自戦闘準備をしてください・・繰り返します、現在・・・」 リンは窓を見た。その先にはあのミネルバがある。そして、フォースインパルスガンダム、赤いザクウォーリアが飛んでいた。リンはそれを見て呆然とした。リンはそれを見るとゆっくりと振り返り部屋を後にした。リンに休む暇などない・・・・安息がいつになるのか・・・リンはゆっくりと格納庫に向かった・・・。 『アメノナカ』 雨の振る あの公園で 静かに震えていた子猫が なぜか、子供のときの自分に見えた それは自分が可哀想だからと 思ったからかもしれない ひとつの写真 それが最後の君の面影だから 君がいてくれた あのときを 思い出したいけど 忘れてしまう でも、ずっと 胸にしまっているから 私を思い出して なぜか 今日の雨は 冷たく切なかった・・・ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|